上飯田 連絡線開通前夜

 是をお読みの方は、あの上野駅が東北新幹線のターミナルでなくなったときの ことを思い出していただきたい。ターミナルが普通の駅に転落するとき・・・

 上飯田(名古屋市・北区)は、名鉄小牧線の始発点である。他の鉄道の 接続は、ない。このような、都市圏における不便なターミナルは他に、
金沢 北陸鉄道石川線・野町駅、
熊本 熊本電気鉄道藤崎線・藤崎宮前
などがある。上記のどれもが以前は、市内電車によって都心との連絡を保っていた所である。不便かどうかは別として、大阪の南海汐見橋駅、JR旧湊町駅なども、他の鉄道の接続のない私鉄始点であり、かつて名古屋にも、もう一つ、名鉄瀬戸線の堀川駅(現廃)が、鉄道の接続のない駅であった。


ミリオン・デラックス 最新名古屋圏総合道路帖/東京地図出版 より
 上飯田の場合は、駅から出て5分くらいのバスターミナルから市内に入ること になる。朝などは市内のラッシュにさらされることになるので、歓迎されない。 最寄の鉄道駅は、地下鉄の平安通であるが、ここまでは徒歩で15分以上かかる。 さすがにこの不便さは不満の種であり、西暦2003年3月27日を目処に、平安通までの連絡線が開通することになった。


現上飯田駅。下の写真に写る地下道への入り口は、3月以降開通する連絡線の上飯田駅入り口である。この地上ターミナルは廃駅になるのだ。

 この上飯田は小さいながらもターミナルということで、人の流れの滞留が生じ、 周辺に独特な世界を展開していた。いくつかの中小商工企業を有し、また、飲み屋 街などもあった。街に生じた小さな滞留は、この地区の刷新を遅らせ、 時代遅れな雰囲気をかもし出すことにもなった。今や上飯田は、 名古屋の中でも最も時代遅れな 感じのする所である。

名鉄駅前。工事が終わったらなくなってしまった建物。今時の結婚式は、3ヶ月も前から心待ちに出来るものではないと思います。

駅前の薬屋で飼われていた犬。歩道に面して繋がれていた。

現在の名鉄駅前。

 ターミナルが喪失される時…それはこの地区の滞留の消滅をも意味する。 事実、老朽化して壊されたり、閉店した店舗も多い。その時、この地区の市民心理は何処へ行くのだろう…

市バスターミナルから大通りへ入るところ。まだ連絡線の工事がたけなわだったころ。左手のキャバレーは、自店の明朗会計を「アメリカ宣言」と自称していた。現在閉店。

駅に面した大通りを渡った先の風景。

平安通駅。建設中の連絡線入り口である。


上飯田地上駅最終日。

青字=1998年2月18日撮影 赤字=2003年2月8日 緑字=2003年3月26日撮影

表紙へ  なお、リンクリストに上飯田連絡線の公式ページを載せています。